2007年01月28日

新規就農のための具体的方法―その2


   『3年計画を立てよう』
永香自然農園 片岡 永

 何事も事始めには計画が必要である。あなたが今サラリーマンであり、将来就農したいと考えているのであれば、最短でも3年間の計画を立てよう。「3年後に就農する」という計画である。
 何故3年間なのか。
 人間は3年間ひとつのことを思い続けることができたなら、大抵それを成就することができると、私が信じているからである。逆に言えば、3年間思い続けられなければ、その程度のことであったのだと諦めた方が良い。

 3年後に就農するために、今何をしなければならないのか。まず家族を説得し、協力を得られる環境を作っていかなければならない。資金も貯めなければならないし、農業技術の勉強もしなければならない。また販売方法も研究しなければならないし、土地探し、家探し、その後の生活設計など、やらなければならないことは限りなくある。そう思えば、3年でも足らないくらいなのだ。
 サラリーマンさえ勤まらない人が、経営の出来るはずはないからである。農業は立派な経営であり、農業者は経営者、社長なのである。サラリーマンに疲れ、嫌になり、そこから逃れたいと思って農業を選ぶのであれば、それは大きな間違いであり、農業者を馬鹿にしていることであり、決して成功はできない。

 思い浮かぶことをひとつひとつノートに記していき、ある程度書き溜まってきたらそれに優先順位を付けて整理しよう。あなたにはまだ何ら具体的なことは決まっていないかも知れない。それでも構わない。どんな些細なことであっても良いから、どんどん書き出していこう。それを整理していく中で、何が大切なのか、何を優先していかなければならないのかが自然と見えてくるはずだ。

 家族を持つ人なら、自分だけの計画では駄目で、3年後に子供は何年生になっているか、就農後3年でいくつになっていて、どの程度の金が必要かなどと家族全体を見渡した計画が必要である。高校や大学への進学時期と重なるかも知れない。その時子供たちに充分な対応を取ることができるだろうかということへも思いを馳せなければならない。

 そんなことを考えていくと、本当に農業で喰っていけるのかと心配になってくる。就農までに3年、就農後軌道に乗るまで3年の6年間を俯瞰してみて、今の会社にいれば課長になっていて、給料もこの程度まで上がるのにと計算してみて、やはりこのまま会社にいる方が得だと思うならそうすれば良い。つまりはその程度の思いであったのであり、新規就農への夢は、辛いことの多い今の現実からの逃避であったのだと自分を笑ってしまえばよいだけのことである。そうすれば誰も不安に陥れることなく、手堅く幸せな家庭生活を継続していける。

 しかし、そんな不安を抱えながらも自分の人生を掛けて挑戦してみたいという思いを押さえきれない人だけが新規に就農でき、そこに無限の楽しみと成功とが待ちかまえているのだろうと私は考えている。

 そのための時間が3年間なのである。

2007年01月19日

新規就農のための具体的方法−その1


   『逃げてはいけない』
永香自然農園 片岡 永

 私のところに時折、「農業をしてみたいが、どうすればよいだろうか」と相談に来られる方がある。私はよく話を聞き、出来るだけ前向きなアドバイスをするようにしている。それは「どんなに条件が悪くても、新規に就農することは可能である」との、私の持論からである。
 恐らく私以上に条件の悪い人は、そう多くはないだろうと思っている。その私でさえ就農することは出来たのだ。誰だってやろうと思えば出来るのだ。
 ただし、本気であることが条件である。自分の人生を掛けて農業をしていこうとする信念がないといけない。今の会社に嫌気が刺した、上司も得意先もうっとうしい、人間相手の仕事に疲れ、自然を相手にのんびりと暮らしていきたい・・・なんという理由で来られる人がいるが、こういう理由で農業をしようとしても、それは無理な話なのである。そんな人には「農業を甘く見てはいけない」と厳しく言う。

 サラリーマンさえ勤まらない人が、経営の出来るはずはないからである。農業は立派な経営であり、農業者は経営者、社長なのである。サラリーマンに疲れ、嫌になり、そこから逃れたいと思って農業を選ぶのであれば、それは大きな間違いであり、農業者を馬鹿にしていることであり、決して成功はできない。

 こういう農業をするために私の残された人生を掛けて挑戦してみたいのだ、という強い信念を持って会社を辞し、会社からは何とか思いとどまってくれと頼まれるが、それでもその好条件を振り切って、しかも会社に迷惑を掛けず、部下の育成と仕事の引継を万全にし、充分な時間と綿密な計画をもって農業に転職するのであれば、少々の悪条件であっても気にすることはない。必ず生活を築いていくことはできる、と私は思っている。

 今の仕事や生活が嫌だからと農業へ逃げてはいけない。